少し前にはアンガーマネジメントやマインドフルネスが流行りました。それは少しでも心を穏やかにしておきたい、メンタルヘルスを求める人が増えてきているのかもしれません。
メンタルヘルスで大切なご機嫌の由来や意味、使われ方についてお伝えいたします。
ヒプノちゃん
ごきげんの意味
ご機嫌とは?辞書の意味
ご機嫌を伺う、朝からご機嫌な顔で来る、ご機嫌なご様子・・・などの使われ方がされる「ご機嫌」の辞書での意味は大きく3つに分かれています。
- 他人を敬う意味「ご機嫌を伺う」
- 上機嫌な意味「朝からご機嫌な顔で来る」
- 好みに合って、気分よく感じられる意味「ご機嫌な赤ちゃん」
ご機嫌いかがですか?は、お元気ですか?と似ているように、生活や健康や心の状態を気遣うような意味で使われることが多いのではないでしょうか?
ご機嫌とは?漢字の意味
ご機嫌は仏教の戒律である、息世譏嫌戒(そくせきげんかい)の譏嫌が由来と言われています。
古くは、機嫌は譏嫌でありました。そして漢字の意味はこのようになります。
- 譏(そしる):人のことを悪く言う、非難する、けなす
- 嫌(きらう):きらう
- 譏嫌:人のことを悪くいって、非難して、けなして、嫌うこと
このように古くは、譏嫌とは人の事をけなして嫌うという意味で使われていたのです。だから、良くない状態を指し示す単語でした。
仏教の戒律、息世譏嫌戒(そくせきげんかい)とは?
ご機嫌は仏教の戒律である、息世譏嫌戒(そくせきげんかい)の譏嫌が由来となっています。この戒律の意味は、世(世間)からお坊さんが譏嫌(人の事をけなして悪く言う)を息(や)めさせる戒(いましめ)となります。
人のことをけなして悪く言うことをやめなさい
なぜこのような戒律ができたのでしょうか?それは、お坊さんは悟りを開くために修行する必要があり、衣食住はお布施に頼る必要があったからだと言われています。
悟りの境地を体得するために、労働はしてはいけない戒律がありました。
修行をしながらお布施に頼るためには、お坊さんは人のことをけなして悪く言うことはやめなければならなかったのです。そして、世間から尊敬されるべき存在として私利私欲を捨てて修行に専念する必要がありました。
息世譏嫌戒(そくせきげんかい)には修行に専念できなくなる可能性、争い事の種になるようなことを取り除くための意味でもありました。
修行に専念するため、世間から嫌われないための慎み
- お酒を飲まないこと(健康を保つ、酔って恥ずかしいことをしない)
- ニラ・にんにくなどの五辛を食べないこと(匂いは修行の妨げになる)
- 人のことを悪く言わないこと
- 世間から非難をあびない
- 財産を貯めない
- 誤解を招くようなことをしない
- 悪事を働かない
お布施がなければ生きていけないお坊さんだからこそ、不愉快な思われ方をしないためのいろいろな慎みがあったようです。このようなお坊さんの行動を慎み人の心の動き(機)をうかがい察する戒めが、やがては「心の状態」に意味変換されて「機嫌」として使われてるようなりました。
現代の仏教語を由来とした機嫌は、心の状態を映し出すために日常生活に溶け込んで使われています。
ごきげんようは死語?
バブル期には「ゴキゲンだぜ」とゴキゲンが多様された時代がありました。バブルですのでゴキゲンでノリのよい、最高な時代だったからかもしれません。
他にも「ごきげんよう」といった使われ方もあります。ご機嫌良うと書きますので、ご機嫌は良いですか?ご機嫌よくいられますようにという祈りを込められた意味ともとらえられます。
ごきげんようは日時を問いませんのでいつでも使える言葉ですが、ビジネスやお仕事などで一般的に聞かれることはあまりないように見えます。もし、ご機嫌ようと言われたら、笑顔でごきげんようと返すことができたら感じのよい挨拶になりそうです。
ヒプノちゃん
人とのつながりを持つためのご機嫌
ご機嫌取りやご機嫌伺いは気を使い、気を回して人の心を伺う意味が込められています。
本来の意味は、お坊さんがお布施をもらうために、修行に専念するために人の悪口を言わない、世間から非難をあびないようにするための戒律が由来でした。
このような、ご機嫌伺いは、人とのつながりで大切な何かを教えてくれているのかもしれません。
上司や他人の顔色ばかりを伺い、ご機嫌伺いやご機嫌取りばかりしていると自分が疲れてしまします。自分のご機嫌ばかりを気にしていると人への配慮が減って人とつながれなくなってしまうかもしれません。
人にも自分にもご機嫌をとっていく、それがメンタルヘルスとして大切なことかもしれません。
- 相手の顔色をうかがう、ご機嫌を伺う
- 自分の心を自分で伺ってみる
- 世の中のタイミングを伺う
このようにご機嫌を見方につけると、運気をアップさせることもできます。そして、ご機嫌でいる思考作りをすることで、幸せをつかむ人もいます。
それは、いろいろな顔色を見てご機嫌を伺えるようになると、人の幸せのお手伝いができるようになり、自分も幸せになれるからです。
どのようにご機嫌とつながっていくのか?よいご機嫌とつながる方法はたくさんあるように見えます。
まとめ
ご機嫌の由来や意味には仏教の戒律も出てきました。
人はつながっていないと生きていけないと言われています。そのように考えると誰もが、誰かに頼るしかないのかもしれません。それは誰もがお布施が必要なお坊さんと同じだということを意味します。
例えば、人は自分で働いたお金で買って、自分の力で全てを得ている錯覚におちいりがちです。
現実は1000円のお米で考えてみても、1000円で買った背景には、大金を払って田んぼを作り、農具を買って維持している誰かがいて、農具を操作した人がいて、苗を作った人がいて、運んだ人、販売した人…と見えない誰かが多くいます。見るもの聞こえるもの全てがそうであると…
有り難いですね♪
メンタルヘルスで心の穏やかさを整えるためにも…ご機嫌よう!